トイレ(便器)の排水芯/排水高さについて
便器には、『床排水』と『壁排水』の2種類のタイプがあります。戸建てや、 ほとんどのマンションは床排水タイプですが、マンションで便器の後側から壁との間に太い排水管がある場合は壁排水タイプです。リフォームの場合、現在設置されている便器の排水方式と同じ方式の便器をお選びください。
床排水
一般的な排水方式のトイレで、床に接続された排水管を通って水が流れます。排水管は便器の下にあるため、目では確認できません。
床排水の場合、便器後方の壁から排水管中心までの距離(排水芯)により、設置可能な機種が変わります。新築物件や1995年以降に建てられた物件の大半は、排水芯200mmタイプが設置可能です。これ以外の場合は、幅広い排水芯に対応でき るリフォームタイプ(リモデル便器)を使用します。これにより、ほとんどの便器が床工事無しで取り替え可能です。(リフォーム=リモデル=リトイレ)
壁排水
一部のマンションで使われている排水方式で、壁に接続された排水管を通って水が流れます。排水管は便器の後ろから壁に向かって接続されているので、目で確認できます。(便器の奥に太い排水管が出ています。)
壁排水の場合、床から排水管中心までの高さ(図A)により、設置可能な機種が変わります。排水高さは、120mmタイプと155mmタイプの2種類があり、現在の新築では120mmで統一されていますが、取り替えの場合は現状と同タイプをお選びください。
各排水芯(高さ)に対応した便器について
床排水
メーカー各社で規格化されている寸法のため、TOTO、LIXIL(INAX)、パナソニック全ての便器に床排水200mm仕様があります(一部を除く)
排水芯が範囲内に含まれるリフォーム用便器からお選びください。
壁排水
メーカー各社で規格化されている寸法のため、TOTO、LIXIL(INAX)、パナソニック全ての便器に壁排水120mm仕様があります(一部を除く)
排水芯・排水高さの確認方法
排水芯・排水高さの確認方法は「実際の寸法」又は「便器の品番」のいずれかより確認できます。
「実際の寸法」で排水芯・排水高さを確認する
床排水
一戸建やマンションに多い排水方式です。上写真の「A」の距離が『排水芯』です。
※ネジキャップは片側に各1つのタイプと2つのタイプがあります。2つの場合は大きい方のキャップでお計りください。
※ネジキャップが片側に1つのタイプは基本的に200mmですが、既にリフォーム用の便器等が設置されている場合など、キャップ位置と排水芯が適合しないケースがございます。ご不明な場合はお問い合わせください。
壁排水
マンション・公団住宅等に多い排水方式です。上写真の「A」の高さが『排水高さ』です。
※排水管の中央から床までの高さをお計りください。
※「A」の高さが100mmの場合は、壁排水120mmタイプの便器を設置可能ですが、 標準設置位置より手前にでます。
「便器の品番」で排水芯・排水高さを確認する
ご使用中の便器の品番から排水芯を確認するのが、最も確実な方法です。通常は左図のように便器側面の床付近にシール又は印字があり、便器の品番が記載されています。
品番は基本的に「C」から始まる場合が多いですが、メーカーや機種によっては、「B」「D」「G」やその他の文字から始まる品番もございます。
(タンクの品番しかわからないといった場合には、タンクの品番と写真を送信いただければ当社でお調べいたします。)
必要なトイレ室内寸法について
便器の先端から壁までの寸法は400mm以上をおすすめします。(床の奥行寸法が1200mm以上あれば、基本的に400mm以上確保できます)400mm以下で設置した場合、足元のスペースが狭く立ち上がる際に窮屈になる場合があります。また、オート洗浄やオート便ふた開閉機能付きの便座の場合、正しく作動しない場合がございます。
座面までの高さについて
床から座面までの高さは、1970年~1993年ごろまでは350mm~360mm、1994年~2002年ごろまでは360mm~370mmが主流でしたが、現行の最新機種では380mm~385mmを採用しております。このため、便器を交換しますと座面が高くなる場合があります。
これはメーカー各社が日本人の平均身長の伸びに合わせたのと、高齢者や腰の悪い方には、座面が高い方が、ひざを無理に曲げずに腰がかけられ、立ち座りの負担も軽減されるためです。